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猫の尿毒症に古典的中医学の煎じ薬を用いた浣腸透析

学会等の学術発表実績

「猫の尿毒症に古典的中医学の煎じ薬を用いた浣腸透析」

第59回比較統合医療学会 2017.7.23
慢性腎臓病から重度の尿毒症を呈して瀕死の高齢猫に、漢方薬の煎じ薬を作り経腸投薬(中国で2000年前から行われている浣腸方法)を行うことで回復し、ステージ4(CRE5~6.3)の末期腎不全の状態で、尿正常、貧血改善、食欲元気正常、体重増加を約9か月間維持できた症例発表をしました。

「浣腸透析」の良さは、尿毒症での解毒効果が高い、内服拒否でも投薬できる。また、動物の維持透析として困難な人工透析と比較すると、「浣腸透析」は、安価、通院・装置・手術不要、週1~2回の10分の短時間保定、合併症・副作用がない、心腎機能回復、腎性貧血の改善、食欲元気を保つ、水分・電解質の代謝バランスをとるので皮下点滴も不要~少量、慢性腎臓病の早期から投薬できる、人工透析と併用できる特徴があります。

現在では、犬の尿毒症でも経腸投薬による「浣腸透析」を行っています。
▲ 週1、2回の10分間の浣腸治療で、太って元気になりました!

動物の末期腎不全での透析の比較

費用 装置通院 頻度
時間
腎機能
腎性貧血
副作用
合併症
早期投薬
維持透析
QOL 効果発現
浣腸透析 安価 不要 週1~2回
短時間
進行遅延~
回復
ない 可能 維持 やや遅い
人工透析 高価 必要 毎日~
週2~3回
長時間
困難 ある 困難 困難 速い

★浣腸透析の回数は始めは毎日が多いです。腎数値の改善と共に回数が減って内服に切り替えていく場合もあります。

漢方薬の腎機能回復の主な仕組み

  1. ポドサイト足突起の成長・活性酸素の除去による糸球体基底膜の安定化
  2. 血栓形成の防止・赤血球変形能の回復による毛細血管循環の改善
  3. 尿毒素の排泄:経腸投与により効果増強
  4. 免疫向上効果

これらにて、生存する糸球体が活性化され濾過率回復

経腸投与の特徴

  1. 漢方薬は腸粘膜損傷が少ないので経腸投与が可能
  2. 内服拒否、嘔吐、凶暴な動物でも投薬可能
  3. 薬の吸収が速く毒素を吸着しやすいため解毒効果が高い
    →腎不全、尿毒症、中毒などで透析効果

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