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犬(みるくちゃん)のエバンス症候群(免疫介在性血小板減少症と溶血性貧血)の漢方治療

2022.08.27

犬 ミニダックス 14才~現在15才 女の子

みるくちゃんはちょっぴり怒りんぼで食いしん坊。

14才の4月に乳腺から出血が見られ、かかりつけ病院の検査で血小板が見つからず免疫介在性血小板減少症と診断されました。高用量のステロイド剤、免疫抑制剤、抗生剤、止血剤を服用すると4日後に血小板は正常値に回復しました。

しかし10日後には今度は赤血球が減少して免疫介在性溶血性貧血と診断され、血小板減少症と併発なのでエバンス症候群という病名を告げられました。いわゆる血小板と赤血球に抗体ができて破壊されてしまう免疫が暴走した病気で、死亡率も高くなります。さらに貧血が進行し免疫抑制剤が2種類になり輸血も受けました。

その後当院に来院されて漢方エキス剤も始めました。かかりつけ病院では免疫グロブリン製剤の点滴を受け脾臓摘出術と輸血も実施されました。それでも貧血は進行し続け食欲低下しましたが、輸血実施できるのはあと1回、副作用で筋力低下と皮膚の化膿とびらんが酷いためステロイド剤を半減し、別の免疫抑制剤を試すことになりました。

当院でも治療効果が高い煎じ薬に切り替えることにしました。血液中の炎症を鎮めて血流を改善して免疫過剰を抑え、全身的な元気をつけて血を作り免疫低下を補って、免疫調整しました。2~3日で動くようになり食欲改善し皮膚病も改善しました。1ヶ月後には赤血球の再生が見られ、食欲元気は全く正常になりました。

ステロイド剤は徐々に減量され翌年の4月に終了となり、6月現在の薬は、免疫抑制剤、抗生剤、鉄剤、当院の煎じ薬と漢方エキス剤となりました。血液検査値は、RBC 478 PCV 33.8  Hb 10.5  PLT 1036 と貧血気味でありますが、高齢にしては毛艶もよく毎日元気に過ごしているようです。

これからも、かかりつけ医の西洋治療と共に漢方治療を行い、血栓・感染・貧血に配慮したエバンス症候群の免疫治療と、免疫抑制剤の副作用・高齢による視力聴力の低下・乳腺腫瘍の進行の予防をしていきたいと思います。

最近では病院で怒ってくれることが元気のバロメーターかなと密かに思っている次第です。

 

☆他のエバンス症候群疑いの犬では、他院の高用量ステロイド剤や免疫抑制剤に反応が少なく、副作用で筋力低下やパンティングや皮膚石灰化もあったので、漢方治療を行いました。薬剤師グループに相談したところ薬効が出なくなると内臓損傷により副作用が出ること(薬の血中濃度を測定して高値では副作用が出やすい状況とみる)、免疫抑制剤の添付文書に副作用として血小板減少症があったこと、かかりつけ医も免疫介在性ではないかもという判断で、ステロイドや免疫抑制剤を終了していきました。その後、血小板はまだ低めですが症状はなく赤血球は正常値になりました。なにより薬の副作用がなくなったので元気に歩けるようになったと喜ばれてます。診断の再確認と薬害への関心が高まると良いなと願っています。(みるくちゃんは免疫介在性かと思われるので、西洋薬の減薬は慎重さが必要かなとみています。)

当院について

みのり動物病院

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