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犬の慢性腎臓病の漢方治療

2018.12.18

犬のヨークシャテリアのモモちゃんは、14才の女の子。

大事に大事にお姫様のように育てられた甘えんぼさんで、お芋が大好き。

4か月前に他院の血液検査で腎臓の値が悪いことが分かり西洋薬を飲み始めましたが、1か月前から食欲が落ちてお水をたくさん飲んで尿が多くなり吐くようになりました。

お母さん犬が高齢による同じ慢性腎臓病で点滴などの西洋治療を受けていましたが、長い間辛い症状が続き1年前に亡くなった経験から、苦しまずに天寿を全うさせたいという想いで漢方治療に連れてこられました。

当院へ連れてこられた時は腎臓病により全身に毒が回る尿毒症の状態だったので、尿毒を排出、腎臓の血流改善、尿蛋白や尿血などの漏出防止、貧血を回復、カルシウム補給、胃腸と腎臓を元気にするために、漢方煎じ薬を調合し肛門から浣腸投与しました。方法の詳細は学術発表実績の猫の尿毒症を見て下さい

治療3日後に吐き気がなくなり食欲も元気も出て貧血も回復し、5日後には飲水と尿量も正常になり、2週間で尿蛋白や尿血なども出なくなり、尿毒症から回復したので、煎じ薬を浣腸から内服へ切り替え、西洋治療は不必要なため終了しました。

時おり生じる膀胱炎や肝機能低下や芋の食べすぎによる胃もたれに対して、煎じ薬の生薬の種類・量を微調整して対応していき、治療5か月後にはベスト体重に増加し、血液検査の腎臓の値も約8ヶ月かけて徐々に改善していきました(CRE 3.4→2.5→1.8→1.4)。

尿比重とpHは低めを保ち腎臓病の完全回復には至っていない様子でしたが、高齢なわりには若い頃のように飛び跳ねたり餌も喜んで自ら食べるようになり、飼い主さんは魔法の薬みたいと言われてました。

治療して1年経った頃、食欲と体重が少し落ちて寝ることが多くなり、尿比重が低め以外は腎臓の検査値は問題がなく血液検査で他の異常値が出ていましたが、穏やかに過ごしたい希望で詳しい検査を行いませんでした。

3週間後のある朝、餌を食べてトイレへ行きリビングで座って飼主さんの姿を追っていたかと思うと、2回鳴いて1~2分で呼吸が止まったそうです。最後まで苦しまずに過ごせたことを飼い主さんは安堵されている様子でした。

モモちゃん、天国でお母さん犬にいっぱい甘えているのでしょうね。

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