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猫(なおちゃん)の慢性腎臓病の漢方粉剤の経腸投与と連携治療

2023.02.20

猫 雑種 15才~現在16才 男の子

なおちゃんは、富士山の麓に暮らす寒がりで怖がりの男の子。

慢性腎臓病でも薬を飲めず、毎日の点滴と鍼灸でCRE4.1から2.2に下がりました。数日前から急に食べなくなって吐いてよだれを出し乾燥した硬い便が目立つようになったため、知人であるかかりつけ医から連絡をいただき漢方治療を始めました。

抱っこや爪切りも嫌がりあちこちなめる癖から、気が滞り便通が悪いことが腎数値の悪化と判断しました。気の滞りを改善して胃腸の動きを改善し便にリンを吸着させ排便力をつける漢方調合をしました。飼い主様のご要望で煎じ薬より作用は弱いが浣腸液量が少ない漢方粉剤を湯で溶いて経腸投与してもらいました。

1回目の浣腸で多量に排便されてから急に元気や食欲が出始めました。貧血改善や元気UPの漢方薬も併用すると、1週後にはぬいぐるみを持ち歩き回るようにもなりました。さらに2週後には37.3℃が38℃代に脈も沈から中脈に舌も白からピンク色になり冷え症体質が徐々に改善され、より元気に便も正常で嘔吐もほぼなくなり体重も増えました。症状改善と共に、SAA(炎症反応)やSDMA(腎臓濾過機能)も改善し、血圧や低比重尿以外の尿検査値も正常を保っています。

冬に入り冷え症が目立つと体を温める漢方を強化し夏には緩めるなど、季節に応じた微調整を続けました。また、かかりつけ医のご判断で鉄剤補給や再生医療も時折併用されています。

漢方初診から1年3ヶ月経た現在は、点滴と鍼灸は週1回と浣腸投与は週6日となり、大嫌いな血液検査の間隔も空くようになりました。なおちゃんは飽き症のため多種類の一般食フードを並べて体重が減らないよう気をつかい食べ残しは同居猫にと、ストレスのないお気楽な生活を続けているのが健康の秘訣かも密かに思っています。

舌診や脈診、西洋検査や治療など、連携治療のご協力をしていただいている深澤先生に感謝いたします。

連携病院:エフペットクリニック(静岡県御殿場市) 深澤理菜先生

 

★漢方粉(エキス剤)の経腸投与について

中国では経腸投与は煎じ薬のみと周囲の中医師(中国の人医療の医師)から聞いています。ツムラの学術担当者の返答では、乳児の嘔吐でエキス剤を短期間注腸投与する小児科医の報告があるが長期投与の安全性は不明とのことでした。また、中医師からは煎じ薬であっても腸への刺激を考えて休薬期間を設けるとのことで、当院では症状が落ち着いたら内服に変更したり経腸投与の休薬日を作るようにしています。

当院の経腸投与では、エキス剤は煎じ薬に比べて効能がやや落ちますが調合が早く安価のため使用することもあります。現在のところ1年以上継続の犬猫で問題が生じた経験はないです。

また、経腸投与の効能が血管投与に続く即効性(強心作用の漢方では10分で脈拍上昇経験あり)があり、内服よりも明確に効能が出やすいため、東洋医学の専門的な学習により誤診のない診断と調合の経験を積んだ獣医師が実施することが大切と考えています。

最近は、口が痛くて内服できない猫の歯肉口内炎で経腸投与し改善するケースも増えてきました。

 

当院について

みのり動物病院

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