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犬(ちくわちゃん)の前足の(悪性)肉腫・肛門嚢腺癌・認知症の漢方治療

2020.10.25

犬 パピヨン 14才~現在15才 男の子

ちくわちゃんは、14才になる少し前に左前足に腫瘍ができて除去する手術を受けました。病理検査で起源不明の肉腫(Sarcoma NOS)と診断されました。抗がん剤は効果がない腫瘍で、悪性度が高く1~3ヶ月で再発すると主治医から伝えられました。断脚手術は生活の質を落とすので勧められなかったようです。

すぐに漢方獣医から処方された漢方薬を服用することにし、1ヶ月を経過しても再発しませんでした。ただ少し疑問があり、当院へは漢方治療のセカンドオピニオンとして来院されました。

当院での西洋検査と東洋検査から、元々水を飲む量が少なく怒りん坊の性格のためか、熱がこもり血の流れも悪く痰もできやすい体質と判断しました。東洋医学では痰と瘀血(血の塊)と熱がこもると癌になりやすいとされています。

水を飲む量を増やすようにし、熱を取り血流や水分代謝を良くして血や痰の塊になりにくくし免疫を上げる漢方錠剤を処方しました。その後、やや腎機能低下、軽度の認知症、足腰弱いなどの老化症状はあるが元気に過ごしてました。

術後1年後に肉腫が再発し新しくできた肛門嚢腺癌も手術で切除されました。手術前後で元気をつける漢方を処方したところ術後の回復は早かったようです。術後は抗がん作用のある煎じ薬を加えることにしました。

さらに5ヶ月後にも肉腫が再発し切除手術をされ、術後の回復に時間を要しました。さらに3ヶ月後の現在も3回目の再発をしていますが、転移もなく食欲元気もあり適正体重のままでご機嫌良く過ごしています。

今後は、高齢であることや前回の術後の回復に時間を要したことなどから、外科手術をしないで癌と共存する形でQOLを維持していくことをご希望されています。

その後、肉腫発症から2年2ヶ月、肛門嚢腺癌発症から1年5ヶ月後に、肝臓・脾臓・リンパ節・背骨に転移が見つかり、18日後の2021年6月29日に16才で永眠しました。最後は徐々に衰弱し認知症の夜泣きも始まったけれど、漢方薬を調整することで夜泣きも減り痛みもなく前日まで食事と水を取り、家族の見守る中で苦しみなく旅立ったと飼い主様からお聞きしました。ご冥福を心よりお祈りしています。

 

当院について

みのり動物病院

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