2019.09.19
犬の柴犬のれん(蓮)ちゃんは、11才の女の子。
数年前から出始めた咳が1年前から回数が増えて続けて咳こむようになり、近くの病院で慢性気管支炎の可能性を伝えられました。
苦しい咳を治したいとのことで、当院へ来院されました。右後ろ足がびっこを引きやすい、皮膚の痒みも気にされていました。ステロイド服用で尿が垂れ流しになるので服用しづらい話もありました。
血液検査、レントゲン検査では、心臓や肺を含めた内臓には問題はなく、高令による腰の変形と右後足膝のお皿の脱臼が見られました。
舌診、脈診、問診、触診などから、肺陰虚つまり肺・気管・皮膚が乾燥して空咳と皮膚の痒みが出ていて、腎虚つまり高令で腰が弱っていると判断しました。
肺・気管・皮膚に潤いをつけて、腎を強めて血流を良くして痛みを取る漢方を処方しました。
3週間後には、咳と皮膚の痒みがなくなり、足の痛みも改善されました。
その後1年近く来院の間、咳が目立つ時は肺・気管に潤いをつける漢方薬を増量して対応することでコントロールされていました。
来院がなくなり8ヶ月ぶりに様子を伺ったところ、投薬なしでも咳は数日に1回のままと報告していただきました。
猫ちゃんの喘息でも、毎日5~6時間、5~20分間断続的に続いていましたが、漢方薬を1日服用のみで効果が出始め1カ月弱で咳が消失しました。
当院では、慢性の咳で苦しむ犬猫の来院も多く、西洋治療とは異なる治療のアプローチ法と漢方薬の効能で改善しています。