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犬(ピーチちゃん)のふらつき、痙攣、嘔吐の漢方治療

2018.02.02

犬のジャックラッセルのピーチちゃんは、9才弱の女の子。

子供の頃は成長が悪く痩せていて低血糖をおこしやすく、2~3年前からよく吐くようになっていました。

9月の台風の時期となった2週間前からは、毎日吐いて、便が軟らかく、2日に1回手足の痙攣が出てひどくなり、散歩中に頭から地面に突っ込み、ふらつき階段で足を踏み外すようになりました。

血液検査や心臓や肺の聴診で大きな問題はなく、舌診と脈診で体内に水がたまっている様子が見えました。

これらは生まれつきや高齢で脾(西洋医学の胃腸)や腎(生命力の大元)の機能が弱いため、体に(痰・湿)がたまる体質で多い病態で、人のめまいや高齢ペットで多い前庭障害(首が傾く病気)でよく見られます。

さらにピーチちゃんは痙攣を伴っているので、台風の雨風が体内の水を増やし風を呼び起こした状態でした。そして痙攣は手足に生じ「脾は四肢を主る」、嘔吐下痢を伴うので、脾(胃腸)の問題に注目しました。

脾(胃腸)を整えて、水(痰・湿)を除き、体内の風を鎮める漢方薬の服用のみで、5日で吐き気、便、ふらつきはなくなり、舌診と脈診で見られた水も少し減りました。

同様の漢方を1か月間続けられ、続いて弱い部分の脾(胃腸)や腎を強める漢方を継続することを勧めましたが、飼い主さんの判断で終了されたので、消化に良く温かい食事と体を冷やさない養生をお願いしました。

西洋医学では、めまいや前庭障害により吐き気が出ると考えますが、中医学では胃腸が弱い体質で生じることが多く、めまいと前庭障害と吐き気を同時に伴うと考えます。

当院では、前庭障害(首が傾く病気)は、今回と同様の漢方治療で完治することが多く、整腸剤のみで治癒することもあるので、基本的に胃腸を整えることが大切と実感しています。特に、夏の疲れが残り台風の季節の9月は、脾(胃腸)を守る養生をお勧めします。

当院について

みのり動物病院

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